• 小野田 孝

2100年、リサイズにっぽん ~人口減少時代の新芽の息吹~⑤

日本が「リポジション」するために(上)


 株式会社小野田コミュニケーションデザイン事務所の小野田孝です。

 私は経済学者や評論家ではありません。1983年より(株)リクルートという類いまれな変革気質に富んだ壮大なビジネススクール型企業に21年間在籍し、その経験を基盤に2005年に独立。以来15年間、顧客企業の組織と働く人の変革を通じた事業支援を続けている、現場たたき上げの「かかりつけ医型コンサルタント」です。

 ジャーナルの新しいシリーズとして「2100年、リサイズにっぽん~人口減少時代の新芽の息吹」をお送りしています。

 約80年後の2100年、日本の人口は現在の約半分、6,000万人にまで減少します。しかし私は、人口減少を「縮んでいく」と捉えるのではなく、知恵と時間のエネルギーをもって全く別の世界を作り上げる楽しみな機会にしよう、と提案しています。そのためには今、何をしたらいいのか。架空の人生を想定し、皆さんと一緒に考えていきます。

 さて、2100年に、今このジャーナルを読んでいただいている人たちのほとんどは生きてはいません。そこで少し時間を戻して、2060年の世界を舞台にしたいと思います。

前回までは、2021年に15歳だった同級生4人が、2060年に54歳で同窓会を開きお互いの歩みを振り返るという物語をお届けしました。今回からは、2060年に85歳を迎える人たちが主役です。彼らは2021年には46歳です。つまりこれは、40代、50代のあなたの「これから」の物語です。

(以下は架空の物語です。登場する人物・団体・場所および文中のデータには架空のものが含まれます。図表は2021年時点で公表されているものです)


●2060年、ナイジェリアのホテル「ダイバシティ」にて


今から39年後、2060年。場所はナイジェリア最大の都市、ラゴスです。

「アフリカの巨人」と呼ばれるナイジェリアは、アフリカ大陸最大の経済国。人口は2020年代でも2億人でしたが、現在はさらに増えて4億人に。2100年には8億人になるという予測です。ナイジェリアは2060年、GDPで世界のトップ10入りをしました。メキシコ、インドネシア、トルコととともに「MINT」と呼ばれ注目されてきましたが、2060年には日本のGDPを上回りました。

 そんなナイジェリアのラゴスには、新興国の勢いを体感しようと世界のトップリーダーたちが相次いで訪れます。なかでも国際会議の会場などとして人気が高いのが、ラゴス最大級のホテル「ダイバシティ」。今や商業施設では当たり前となった循環型エネルギーによる電力供給、廃棄物を出さないゼロ・ウェイストなど環境に配慮した施設です。また、国連加盟193カ国全ての国から従業員を集め、人種や文化や宗教など多様性の共存をコンセプトにしたサービス、経営をしています。ヘリポートとドローン・ポートが多数あり、安全で迅速な送迎サービスができるほか、産地直送の新鮮な食材の調達も可能で、それを使ったレストランが人気です。

 そんなホテル・ダイバシティでは今、2060年の世界経済フォーラムが開催されています。セッションの合間、参加者の一人である日本人の久美子さん(85)を囲んで、2人の日本人の若者、美亜さんと海路さんが話を聞いています

久美子さんは、日本の食材貿易会社に就職し、同社で女性として初めての社長に就任しました。その後会長を歴任し、現在は顧問を務めています。また、60代でこちらも初の日本経済団体連合会(経団連)の女性会長を務めました。久美子さんが社長になった2030年代の日本はまだ「男女の平等度」では世界の中でも下位にいました。久美子さんは「日本のジェンダーギャップを埋めた象徴」として一線で活躍し続けた人です。


●パンデミックと災害がもたらしたもの

          (環境省COOL CHOICEホームページより)


●オールドボーイズクラブが消えた理由

                     (農水省ホームページより)

 2060年、新しい日本の姿を思い描いていただけたでしょうか。美亜さんと海路さんのインタビューは次回も続きます。


※「オノコミ・ジャーナル~衰退局面の日本を反転させる処方箋」は、毎月12日、28日に更新します。



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